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2006年04月01日

知的所有権が保護するべきもの

権利の主体が死亡した後も長期に渡ってその権利の保護を行う。
そんな法律が有ります。

それは、著作権という法律です。
そして、現在、著作権の存続期間を著作者の死後50年(現行)から死後70年に
伸ばそうという議論が有ります。

果たして、これは良い事なのでしょうか?
これは明らかに著作権に付随する各権利を持っている企業が、
著作物に対する緒権利を保持する為の主張だと思います。

戦後に作られた著作物は、これからどんどん著作権が切れていきます。
著作権を譲り受けている企業がそういう事を言い出しても
不思議では有りません。

しかし、考えてください。
著作権は、もともと、ビジネスを行う為に作られた法律ではないのです。
創作者の、そして社会全体の創造行為を促進する為のものでなければいけないはずです。
その為に、創作者の権利を保護し、創作者がより良く創作活動ができるようにするためのものです。
その観点で見れば、創作者の死後にいくら権利を保持しても創作活動の主体が居なくなっている以上、
それが創作に好影響を与えるとは思えません。

古い著作権をいつまでも保持している事で、企業が儲けられると言う事になると、
新しい創作への投資活動も停滞しますし、新しい創作者の創造の幅も狭められる事になります。
個人的には、むしろ、法律の規定を改正して著作者の死後20年でも良いくらいだと思うのです。
それ以後は、氏名表示をすれば対象著作物を自由に使用できるようにした方が、
以後の様々な創造活動に貢献できるのではないでしょうか?

知的所有権は、創作者の利益と公共的利益の双方をなるべく満たすように定義されるべきであって、
それは、社会的に利益の高い創造行為がより多く、よりローコストでなされる事で実現されます。
創作にブレーキを掛けるような権利拡張は止めるべきだと思うのです。

投稿者 桜川 : 2006年04月01日 14:43

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