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2005年05月04日

読破本紹介:余暇の社会学

ちょうど、GWにふさわしい本を読み終わったので、紹介。

「余暇の社会学」加藤 秀俊氏:PHP文庫

BOOKOFFにて、100冊立ち読みして10冊買うという購入行動を
いつもとっているため、大体読んだ本には満足するのですが、
この本は群を抜いて大満足でした。
「余暇の」というタイトルが付いていますが、暇潰しに読むのが失礼なくらいでした。

1988年刊という古い本なのですが、本に書かれた論説の視点は
とても独創的でした。
内容は、真面目な社会学の本です。

社会の生産性の増大に伴って、余暇を過ごすための哲学が必要になったという点。
支配者層は、自由時間をどのように使用させるかに心を砕いてきたという点。
長期的に見れば、今では、自由時間の方が労働時間よりも長くなっているという点。
そして、
現代では、自由時間は楽しまなければいけないという道徳が発達しているという点。

最後の点は、特に衝撃を受けました。
確かに、そういう傾向は有るような気がします。
自分は、あまりそういう事はしませんが、
”興味の無い趣味や会合に付き合っちゃったよ”とかいう話は、良く耳にします。
つまり、自由時間といえども、静かにしていてはいけないという道徳。
良く考えたら、変な社会的拘束です。

最後に著者は、好奇心の響きあうコミュニティの再生こそが、
これからの余暇社会にとって必要だ
という旨の事を言って文章を閉じます。
何か、今のインターネットコミュニティの事を予見しているようで、
凄い感動を受けました。

余暇を過ごす事の難しさ。
そんな事を少しでも考えた事が有るのならば、この本をお勧めします。

投稿者 桜川 : 2005年05月04日 03:37

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