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2009年08月13日

皆既日食旅行記 in China 3日目前編

遂に怒濤の3日目突入。
なんか、今回の旅のほとんどの主要イベントがこの日に集まってました。

気がはやっていたらしく、朝日が出てくる前の薄明かりの時に目が覚めた。テレビを見ながら少し時間を潰すと、段々と空が曇っているのが明らかになった。
当日の天気は曇りのち雨と聞いていたけれど、実際にこの空を見てしまうと気分が優れない。そのうちに朝食の時間になったのでホテル内のレストランへ。
途中廊下の窓から見たら、ホテルの裏の広い駐車場にバスが100台近く止まっていた。昨日、バスターミナルらしいと予測したのはどうやら当たっていた。

レストランに着くと、結構な人数が揃っていて開くのを待っていた。そのまま待っていると、すぐに扉が開いてぞろぞろと入っていった。
昼飯もまた中華料理な訳なので、軽くつまんで席に座った。2,3人と話をしたけれども、やっぱり、こんなに曇るとはという話。
ちょっとでも雲間に見れると良いなくらいだった。もう、集合時間遅れても良いでしょとか言ってる人もいた。

食べ終わってから荷物をまとめてすぐにチェックアウト。待っていた観光バスに乗り込む。
で、車内も何となく諦めムード。そんな雰囲気を察したのか察していないのか、ガイドは現地の観光情報などで空気を流す。
と、20分も経たないうちに、観測場所の公園へ到着した。

まだ、朝早いので、日食も始まっていないのだが、写真家組は早々と観測キットを組み立て始める。
角度計が有るらしく太陽があるはずの方向に向かって、レンズを向け始めた。
まだ雲は空を覆っていたが、西側の方が何となく雲が薄いのは分かった。そのうちに、雲が流れ始めて、雲の向こうに太陽があるのは分かるようになってきた。
そして、雲の切れ間から太陽が顔を覗かせた時にはどこからと無く歓声が上がった。しかし、切れ間は切れ間なのですぐに雲に隠れた。

その後も、雲に隠れたり、出てきたり、なかなか思わせぶりな展開。
薄めの雲がかかる時には天然のフィルターになって肉眼でも欠けてるのが見えてそれはそれで良かったのだが、写真取る人は、光量が劇的に変化するので、露出の調整とかフィルターの変更とか大変だったみたい。
近くにいたおじさんは、5回くらい皆既日食を見ているらしく、写真は撮らないと言って、望遠鏡にフィルターを付けてみんなに公開していた。
で、その話が伝わったらしく、いろんな人が望遠鏡をのぞきに来ていた。イタリア人とかコロンビア人まで。
ちなみにその人から色んな光量に合わせたフィルターを貰った。このフィルターが何段階かの光量に合わせて作ってあって結構良かった。感謝してます
そのうちに、昨日のイギリス人の人が売店からビールを買ってきてプレゼントしてくれた。
現地の警察官とか、料理屋のコックも仕事そっちのけで公園に集まってきていた。

西の方に凄く雲が薄くなっている部分が出来ていて、あそこで皆既日食になるといいなと誰と無く言っていたら、皆既日食の時間が近づいてきた。
心なしか風が涼しくなってきて、辺りも夕暮れのようになり始めた。フィルターを通してみる太陽はもう三日月よりも細くなっている。
もう予定時間まで2分もないので、カメラを動画モードにして太陽に向ける。そして、ほとんど雲がない状態でダイヤモンドリングに突入した。

ダイヤモンドリングに突入してから数秒で完全な皆既日食へ。辺りもその数秒間で一気に暗くなった。
ほんの数秒間で、これだけ風景が激変する事なんて経験した事は無かったので、思わず、”すげえ、すげえ”と、声を上げてしまった。
旅行に来る前に、2年前の皆既日食のネットでの中継動画を見た時には、なんでそんなに騒いでるんだよと思ったが、現地に来て、皆既日食に立ち会って、その気持ちが凄く良く分かった。

皆既日食が始まってから、事前に言われていたとおり、辺りは日没30分後の暗さ。
さっきまでの太陽が出ていた時の明るさに目が慣れていたからそれ以上に暗く思えた。
カメラの動画モードで辺りも撮ったのだが、感度が全く追いつかず、ほとんど真っ暗にしか取れなかった。(後で動画上げます)
気温も太陽が完全に出ていた時から体感温度で4,5度は下がっている。時折吹く風が心地良かった。

辺りは、皆既日食を撮るカメラのフラッシュがちらほら。写真家組は、ここぞとばかりに写真を撮っていた。
5分半というのは、体感的にもかなり長い時間。でも、その時は時計を見ながら、もう終わるのかという感覚だった。
再びカメラを構えて、ダイヤモンドリングも動画で撮った。この瞬間もやはり歓声の渦。
ほんの数秒間で夜から真昼に変わるというのは、言葉に代えがたい。

フィルターを覗くとまだ三日月ほどの大きさしかないのだけれど、辺りにはもうすっかり明るさが戻ってきていて、気温も暑くなり始めていた。
朝には、ここまで皆既日食が見れるとは誰も思っていなかったので、公園全体が何か達成感に満ちた感じ。
太陽の欠け方が半分くらいに戻ってきたところで撤収となった。

その後の昼食は本当にお祝いムード。
なんか、グループで皆既日食が見れる各地に散らばった人とかも居て、他の地域で雨に降られた奴に申し訳ないなと言っていた。
本当に運が良かったと言い合い、ホテルに帰ったら、インターネットで調べてどれだけ運が良かったか分かるなと。
昼からビール飲んでいる人もいたが自分はサイダーを頼む事にしたが、30元(=450元)というので、どうしてと聞いたら、
2リットルのペットボトルしかないからだという答え。
結局、飲みたい人二人でシェアする事にした。

昼飯を食べ終わってからは、もう、上海のホテル帰って夕飯食って寝たい、という人が多かったが、安ツアーなのでそう言う訳にもいかず、よく分からない寝具屋に連れて行かれた。
そして、会議場みたいなところに詰め込まれて、ラテックス寝具についての説明を社長らしき人から延々と聞かされる。
まあ、確かに中国で作ってる物もヨーロッパのブランドが付くと高くなるんだろうなと思いつつも、ここで買うのが最安値だという話は話半分で聞く。
まあ、この会社から出た製品の販売としては最安値かもしれないが。

自分はあんまり興味が無いので休憩コーナーで眺めていたが、結構買う人はいた。
まあ、この工場の直接の儲けになるんだから悪い商売では無いなと思った。
よく分からない仲介業者がごちゃごちゃ入るよりは。
休憩室に有った冷たいお茶がおいしかったらしく誰かがお茶の名前を尋ねていたが、ただの麦茶という返答だったらしい。

その寝具屋を出て次は誰さんの家か忘れたが、昔の大富豪の邸宅だった建物に行く。
明日の豫園は、帰国便の都合上参加できないので、結構、こういう中国風の建物やら家具やら庭園やらが見られて良かった
結構敷地が広かったので、途中トイレに行く等で迷った人も多く、バスに全員戻ってくるのにやたら時間がかかった。
この建物見学中に小雨が降り出してきた。

いよいよバスは杭州を離れる。もう、結構雲が出ていて、ほとんど太陽が見えなくなっていた。
皆既日食を見たのは、ほんの2時間前の事だったから、本当に運が良かったんだなと思った。
高速道路を走っているうちにかなりの豪雨が降ってきた。
まあ、北半球では南に行けば行くほど雨は短期間に集中して降るという事は知っていたので、あまり驚かなかったが、やはり、道路に川が出来てしまうのは驚く。
まあ、これだけ降っていればすぐに止むだろうと思っていたら、ふと、水のしずくが垂れてきたのに気づいた。

露でも付いたのかなと思って窓を拭いてみたが、滴は後から後から垂れてくる。
垂れてる元をたどってみると、窓枠。どうも、窓枠から垂れているらしい。
って、雨漏りかよ。と気づいて、周りの人に言って席を替わっていたら、中国人のガイドが気づいたようだが、
その後、言った言葉が、
「外も雨降ってきたし、中も雨降ってきましたね。」
だった。

え、それだけ?と思ったが、ガイドは素知らぬ顔。
それから何もアクションが無いので、これが中国の常識らしい。
まあ、旅行先の現状を知ると言うのも旅の目的の一つなので、良いのだが、さすがに雨漏りは・・・。

段々と雨が止んできて雨漏りは収まったが、替わる前の席は、雨漏りでもはや座れない状態。
ガイドは、夜の雑伎団の追加予約(有料)を受けていた。
自分は少し上海の街中を歩いてみたかったし、また、上海は何かの折りに再度訪問するような予感がするので、今回はパスする事にした。
ま、この決断が、後で問題を引き起こす事になるのだが。

高速をしばらく走ってサービスエリアに到着。このサービスエリアの店に売っている商品は、完全に現地の中国人向けだったので、字は読めないものが多かったが、なかなか面白かった。
多分、卵の絵が描いてあってずっしり重かったのはピータンだったと思う。
しかし、値段を見たけれど、かなり安い。ちょっとしたお菓子なら1,2元ってところ。コンビニでも充分安いと思ったが、それよりもう一段階安い。
中国の一般人はこれくらいの物価水準で生活して居るんだなと、あらためて思った。

サービスエリアの一角に高速道路の道路網図が有ったので、興味深く見たが、結構充実している感じ。
中国の一部分の地図しかないのでどういう事かなと思っていたら、省単位の地図だった。
確かに中国は1省で500kmとか広さがある。
サービスエリアを出るとバスは一路上海を目指した。

投稿者 桜川 : 2009年08月13日 01:05

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