どこかのブログで今年の10冊を紹介しているのを見たので、
私もまとめてみました。ほとんど新刊ではありませんが・・・。
IT関連の専門書は、普通の人にお勧めするものではないので、
それ以外で10冊紹介します。
一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) ジョージ・オーウェル
全てが監視される社会。全ての思考が統制される社会。
もし、IT革命以後に共産主義が隆盛していたなら有り得たかもしれない社会を書いている気がします。
監視システムも 思考統制も、ネットワークを全て政府機関が構築すればもっと簡単にできてしまいますからね。
SF好きならお勧め、するまでもなく見てますよね(笑)
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF) フィリップ・K・ディック,
人間とアンドロイドの境界線はどこに有るのか?
今でこそ、そういう題材の本は溢れかえっていますが、
始めてこの本で遭遇した人は、もっと衝撃を受けたんだろうなと思います。
これもSF好きなら読破済みでしょうね。
新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。 (アスキー新書) 本田哲也
世間話の内容にまでマーケティング戦略の手を伸ばす。
ここまで深くマーケティング戦略って練ることが出来る物なんだなと感心しました。
こういう業界には疎いので凄く勉強になります。
手のひらの上で踊らされるのが好きな人には読んで欲しくない本です。
独立国家のつくりかた (講談社現代新書) 坂口 恭平
お金を使わないで生活する。自らの信じる物のみに突進する。
こういう夢想はしても社会的に整合しないだろうと思うようなアイディアを
本当に行動に移してしまう人がいるんだなというのが驚きでした。
視点の違いで見えてくる物は違う、と、今年読んだ本の中で一番思わされた一冊でした。
熊嵐 (新潮文庫) 吉村 昭
体長2mを越すであろう熊にいつ襲われるか分からない。
しかも近隣の家が次々と襲われて遺体が増えていく。その惨状。
ノンフィクションだから当たり前なのだけれど、そんな極限の状況での心理状態が確実に伝わってきます。
ノンフィクションで有りながら冗長な部分をきちんとそぎ落としている名著だと思います。
ネトゲ廃人 (リーダーズノート) 芦崎 治
境界線の向こう側に居場所を見つけてしまった人達へのインタビュー集。
自分がオンラインゲーム始めたら、ここまでのめり込むんだろうなー。
だから、手を出さないことにしてるんだよな?。と思いながら、読んでました。
人間って自分の能力で何らかの欲が満たされるとその環にはまり込んでしまう物なんですよね。
その環が長い目で見て自らの幸福につながっているのか?その問いに答えるのは何とも難しいです。
モチベーション・マネジメント(マグロウヒル)Anne Bruce
"従業員は、自分自身の為に働くのである"
本書のこの1文からしても、90年代から00年代に流行ったアメリカ的トップダウン経営という概念が
いかに財界の都合の良いように作られていたのかが良く分かると思います。
この本のエッセンスを理解できない経営陣を持つ企業は未来永劫、
優良なアメリカ企業に勝つことは出来ないと断言します。
銃・病原菌・鉄(上・下)(草思社文庫)ジャレド・ダイアモンド
人類の歴史は、高い文明を持つ集団が遅れた文明を持つ集団を制圧してきた歴史である。
では、その文明の格差はどうして生まれたのか?
基本的には、伝搬可能性と相互交流密度が進歩を生むという線で書かれているのですが、
世界中の民族・国家にしっかりと考察を入れていて面白いです。
基本的には仮説の積み重ねなので、真実かどうかは誰にも判断できないのですが、
こういう視点で進歩を説明できるという点は、頭に入れておいて損は無いと思います。
船の最新知識 タンカーの燃費をよくする最新技術とは? 驚きの方法で曲がる「舵のない船」とは? (サイエンス・アイ新書) 池田 良穂
9割以上の貿易品は船で運ばれる。よって、船舶は日本の生命線である。
とか書き出しましたが、すいません。完全に私の趣味です。
昔から乗り物の技術ってやつが好きなので。
船を快適に運航するための技術やノウハウが満載。
子供が作る船のおもちゃみたいに水に浮かべば良い、わけじゃないってのが、
深く理解できます。
地図の科学 なぜ昔の人は地球が楕円だとわかった? 航空写真だけで地図をつくれないワケは!? (サイエンス・アイ新書)山岡 光治
地図を見る=神と視点を共有するということ。
これも完全に私の趣味です。昔から地図マニアでも有るので。
地図を作るのってそんな簡単じゃないんだよってのが良く分かります。
でも地図を作る技術って、やはり着実に進歩してるんだなと。
読みながらいちいち感心することしきりでした。
今年も良い本に巡り会えたことに感謝します。
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